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閉ざされた夏(若竹七海)★|愛と資本主義(中村うさぎ)★★| .
閉ざされた夏 ★
(若竹七海/1998年/391ページ/講談社文庫)
 有名作家の文学記念館で起きた殺人事件。果たして犯人は誰なのか!?誰なのか!?誰なのかーー!!
って事なの?これ??
とにかく面白くなかったのです。最初に殺人事件は起きず、文学記念館で過ごす人達の日常が甘〜く描かれてて、私の頭の中には靄がかかりっぱなし。
それぞれのキャラクターが昔の漫画っぽくって、描かれてたであろう人間の気持ちがまったく伝わってこなかったのです。
主人公は両親を亡くし、妹と二人で同居しながらその文学記念館で働く青年。
で、妹は小説家(なもんで殺人事件の推理にアドバイスをいっぱいしてくれる都合の良い存在になってる)。
文学館には他に二人の女性、一人の女性アルバイト。あっ、受付におばさんもいたかなぁ。あと課長さんみたいな存在のおじさんが働いてて、それぞれのキャラクターが仕事を通して描かれてます。
そう、前半はほとんどそんな感じでイライライライラつまらないったらありゃしなかったのです。まぁボヤ事件とかあったからそれだけじゃないにしても、普通の何処にでもいる人達の日常を描いてるように見えて退屈で仕方が無かったのですわ。
でやっと、次の展示会の為に記念館の作家の過去を調べていたら殺人事件が発生。従業員の一人が逮捕され、刑事達の情報を聞きつつ『本当にその人が犯人?誰かをかばってるんじゃないの?』って考えながらみんなで推理していきます。
でもねぇ〜。
ただの殺人事件の推理物だったら、『誰が犯人?誰が犯人?』って考えながら読めたはずだけど、『この人にはこんな隠された一面があって、第三者には分からない事がたくさんあるのよん♪』って言われても、被害者がこれじゃ感情移入出来ない!ちゅうねん。
質素な生活をしてる人間が、(ネタバレ→子供を生みたいからって)お金欲しさにそんな事されてもわたしゃ同情できませんわー。
ラストはとりあえず、どんでん返しがあります。
でも、『分かるけど……。だから?』としか感じませんでしたわ。
題名に騙されたみたいね。私。(で、『夏』の意味、あったの?)
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愛と資本主義 ★★
(中村うさぎ/2002年/283ページ/新潮社)
 帯に、
〜『著者より』今回、私のホストクラブでの大蕩尽のモトを取るべく、ホストとその客達の物語を書きました。テーマはずばり「愛」と「金」。法外な金を払って女たちは何を手に入れたいのか。ホストたちは金と引き換えに何を切り売りしているのか。ホストクラブで繰り広げられる、ある種の絶望的な「愛」の形です。〜
とある様に、3人の女とその担当の一人のホストの「愛」を綴っています。
・・・ん?。ちょっと違うな。だってラブストーリーじゃないんですもの。
ストーリーは、3つの話から成り立ってます。訳アリの女達3人が、事件に巻き込まれていくのです。なので、ホスト「リョウ」を奪い合う話ではまったくありません。自分の過去の『愛』を清算する、迷える子羊達の話です。
元は、ある一人の女が売り掛けを飛ばしたことから始まります。
困ったホスト「リョウ」は、とりあえず客の一人で風俗業をしているミカにお願いをします。
そして、辛い過去のせいで(ネタバレ→多重人格になってしまった)ミカはそのお金を手に入れる過程で、知らぬうちにスプラッター並みの殺人事件に巻き込まれていくのです。
それは置いといて、次はその売り掛けを飛ばした裕福そうな未亡人ナツミのお話。ここの部分が丁度WOWOWで放送された『愛と資本主義』 (出演:伊藤英明・高橋恵子)でクローズアップされた部分ですね。他の話もあったと思うんだけど、分かりにくかったのかすっかり忘れてしまいましたわ。
あっ、念の為この作品、くっら〜い昔の日本映画っぽいので、お薦めは致しませんわよ☆
で、ここでもまた、辛い過去を持った年配の女が、何故かホストクラブで最後の愛を求めてしまいます。その愛の形はすっごい微妙。
環境が変わった為か自分が変わった為かわからぬまま走った結果、ホストの軽い動きではじけてしまうのです。
ホント、はっちゃけるとこ、間違えないようにしないとね>私。
それは置いといて(←またかよ)、3人目は探偵業を営むマリエ(30歳前後?)のお話。
過去に愛した男がたまたまホストで、それが自分の中でいまだ決着せず、自分の『愛』を見失ったまま、その穴を埋めるべくホストクラブに通い、つまみ食いし、無意識下で辛い毎日を送っている女の話です。
ある日「マリエ」を尋ねて、彼女の探偵事務所に、(ネタバレ→娘の捜索依頼)と称しておばちゃんがやってきます(全然ホスト「リョウ」とは関係ないのよ)。
マリエは気が乗らないまま仕事に取り掛かるのですが、その仕事の過程で、昔愛した彼をめぐる事件を思い出すことになり、自分の過去と向き合わざるおえなくなり、結果「ちょっと楽に生きれるかなっ」、と不思議な光が感じられる、中村うさぎワールドの結末になってます。
って事で、それぞれ3つの話が、繋がってるようで全然繋がってないのです、長編小説っていうよりも、中編小説寄りなんじゃないかしら。
ワタクシ今までの中村うさぎとは違う、桐野夏生っぽい大人の女を、期待して読んだのですが、残念な事にかなり違っておりましたわ。
過去の話も出てくるせいか、いっぱい話を盛り込みすぎてて、重いはずの人生が、取って付けたみたいに薄く感じたせいかもしれませんね。
読んだ後よく考えると、3世代の愛の求め方が様様に見えて、特に2番目の話なんて結構深いんだけど、読んでる間なかなか感情移入出来なかったんですもの。
スプラッター好きにとっても、推理小説好きにとっても、ホストクラブ好き(?)にとっても、ちょっと中途半端でお薦めは出来ませぬ。。。残念ですわ。
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